賃貸物件で知っておきたいゼロゼロ物件とは?メリットや注意点をご紹介
賃貸物件の契約では、一般的に敷金や礼金といったまとまった初期費用が必要です。
新生活を始めるにあたっては、引っ越しや家具・家電をそろえるための費用もかかるため、なるべく負担を減らしたいとものです。
そこで今回は、賃貸物件におけるゼロゼロ物件についてご紹介します。
賃貸物件におけるゼロゼロ物件とは?
賃貸物件におけるゼロゼロ物件とは、敷金と礼金の2つの費用負担が0円になる物件のことです。
一般的な賃貸物件において初期費用として必要な敷金と礼金ですが、具体的にはどのような費用のことなのでしょうか。
敷金
敷金とは、簡単にいうと貸主に預けるお金のことです。
預けたお金は賃貸物件を維持・管理していくために使用されます。
具体的には、入居中に借主が誤って設備を壊してしまったときの修理費や退去時に室内の原状回復をおこなうためのクリーニング費などです。
礼金
礼金とは、簡単にいうと貸主に渡すお金のことです。
名前のように賃貸物件を貸してもらう「謝礼」として支払う費用のため、敷金のように借主に戻ってくることはありません。
敷金と礼金は家賃の1か月分から2か月分が相場です。
これを踏まえると、敷金と礼金が必要な一般的な賃貸物件では、初期費用として10万円以上のまとまった金額が必要になります。
ゼロゼロ物件が増加傾向にある理由
賃貸物件のなかでもゼロゼロ物件が増加傾向にある理由として挙げられるのは、空室の増加です。
先述したように人口が減少傾向にある日本社会では住宅の供給過多により、貸主から見れば入居者が集まりにくい現状があります。
貸主は家賃収入で資産運用をおこなっているため、空室が増えると運用に支障をきたすことが想定できます。
つまり、貸主は敷金や礼金を0円にしてでも入居者を集めて空室を回避したいということです。
ゼロゼロ物件をアピールポイントにしてほかの物件との差別化を図っているという考え方もできるでしょう。
ゼロゼロ物件を選択するメリット
初期費用の負担が軽減される
一般の賃貸物件であれば初期費用として敷金と礼金がかかるのが基本です。
ゼロゼロ物件を選択した場合、この費用を抑えられます。
賃貸物件での新生活を始めるためには、賃貸物件に直接かかる費用以外にも引っ越し費用や家具・家電の購入費などに回せることは大きなメリットといえるでしょう。
予算内でワンランク上の物件を狙える
初期費用が抑えられた分でワンランク上の物件が選択肢に入ることもメリットといえます。
たとえば、角部屋や高層階などの条件が良い物件は人気があるため、家賃が割高に設定されているケースもあります。
しかし、ゼロゼロ物件で初期費用を抑えることによってこのようなワンランク上の物件でも予算の範囲内で見つかるかもしれません。
設備に期待できる物件もある
ゼロゼロ物件のなかには人気の設備が設置されていても、さまざまな要因で空室の状態が続いている物件があります。
空室が続いていると聞くと物件の質が良くないと思われがちですが、そのようなことはなく、割安で良い物件に出会えることにも期待できます。
このように、ゼロゼロ物件は費用面で大きなメリットを感じられ、浮いたお金を新生活への軍資金や物件のグレードアップに回すことが可能です。
ゼロゼロ物件を選択する注意点
家賃が高めに設定されていないか確認しよう
ゼロゼロ物件のなかには、敷金と礼金を0円にしている分、家賃で調整しているケースがあります。
このようなケースでは先述した費用面でのメリットが十分に享受できません。
家賃が高めに設定されているかどうか近隣の家賃相場と比較チェックしましょう。
特別な条件が設定されている可能性もある
2つ目の注意点は、特別な条件が設定されている物件があることです。
特別な条件として挙げられるのは、主に次の3つです。
●短期間で退去した場合の違約金の請求
●指定の保証会社への加入
●入居前のクリーニング費の請求
そもそも長期で入居してもらわなければ、貸主側がゼロゼロ物件にするメリットがなくなってしまいます。
そのため、ゼロゼロ物件では違約金を請求するケースもあるのです。
このような特別な条件は、基本的に特約事項に記載されるため、契約書にはしっかりと目をとおしておきましょう。